2020年 TOB MBO を振り返る
今年もTOBMBOの多い年でした。企業の選択と集中、株主の力が強くなってきたこと、他様々な要因が背景にあったからではないかと思われます。
印象に残ったことを書いてゆきます。
1株当たり純資産額を下回るTOBやMBOをしずらくなった年でもあります。当然の話であり個人投資家としては大歓迎です。ただ、これを恐れてTOBが避けられるようになると個人的には困ります。
現在進行中の1782 常磐開発のMBOは、1株当たり純資産価格12,325円に対し、MBO価格7,800円/株、足下株価は9,190円/株で推移しています。とてもMBOが成立しそうには思えません。それにしても、どういう頭の構造でこのMBO価格を是としたのでしょうか。理解に苦しむところです。
企業再編に伴う大型TOBも印象に残っています。
直近ではNTTドコモがNTTにTOBされました。直接利回りが0.6%程度、年換算利回りで7%程度となる美味しいTOBでした。日立がらみのTOBも印象に残っています。2月頃だったと思いますが、日立ハイテックのTOBでは、直接利回り1%、年換算12%の超おいしいTOBをゲットすることができました。
島忠へのDCMによるTOBも印象に残っています。結局DCMのTOBは失敗し、ニトリが競り勝つ結果となっています。いずれのTOBも新聞のリークをベースに売買し、極僅かですが利益を出すこともできました。
事前に購入していた銘柄がMBOされて利益を得たことも印象に残っています。
銘柄は照明機器製造のオーデリック。MBOを期待していたのではなく東証1部上場を期待した購入だったのですが、MBOで大きな利益を得ることができました。
さて、2021年のTOBMBOはどうなるでしょう。多分増えるのではないかと思われます。形態は現金での購入ではなく、株式の分配による方式「株式交換」が増えるでのはと考えています。
個人的には東証の「従属上場企業における少数株主保護の在り方等に関する研究会」の健闘に期待しています。
日立の選択と集中事例を考えれば、大手企業の再編も進むのではないでしょうか。最近景気が良くなってきた鉄鋼メーカーの子会社再編に注目しています。
低PBRでキャッシュリッチ、不動産保有企業も注目です。
足下は、東京ドームのTOBに取り組み中です。余裕が出たら、9758 ジャパンシステムのTOBにも参加予定です。