投資の視点 4832 JFEシステムズ
先日立会外分売で、まとまった株数が売りに出されました。
その為、株価は3000円台から急落しています。
株価レベルは昨年のコロナショック時程ではありませんが、それに準ずるレベルにあります。
予想ROEは四季報ベースで13%と、SIerとしては低いかもしれませんが、まずまずのレベルにあります。
予想PERは9.64倍、来年は8.64倍と10倍を下回っています。この手の業界では、一応割安レベルにあります。
特筆すべきは、保有現金とその使用方法です。
時価総額が231億円で、保有現金は111億円です。借入金は0、自己資本比率は54%です。(四季報ベース)
保有現金の大半は「預け金」として親会社である「JFEHLD」に預けています。短期金利で長期に預けることによって、親会社は長短金利差のメリットを享受しています。これは事実上の剰余現金の親会社への還流です。
余剰資金がある場合、投資をするか、しないのであれば配当をするか自社株買いをするのがあるべき姿です。
上述のROEですが、親会社に預けている現金を自社株買いや配当に回せば相当程度上昇するのは必須です。
因みに、東証ではこんなこともやっています。
従属上場会社における少数株主保護の在り方等に関する研究会 | 日本取引所グループ
大和総研からのレポートもあります。
https://www.dir.co.jp/report/research/capital-mkt/securities/20200318_021394.pdf
今年度はJFE向けの売り上げが4割程あります。鉄鋼の新規案件が少なかったため今期は減益予想ですが、長年増収増益を続けてきています。
親子上場解消のTOBは無いと考えていますが、思惑が働く可能性があります。JFEが全株取得するとするならば株式交換によるものではないかと考えています。
先日の立会外分売時にまとまった株数が売りに出ましたので、しばらくは売りが続く可能性があります。
配当利回りは3%超です。しばらく耐えられる利回りは確保できます。
下押ししたら、買い増す予定です。