4551 鳥居薬品 JT子会社 これでプライム とんでもない会社
4551 鳥居薬品 JTの子会社です。
新市場区分では「プライム」になる予定です。
自己資本比率90%。時価総額は2月10日現在で923億円。
12月末時点で、親会社JTに対し「キャッシュマネジメント預託金」として230億円、他流動資産内によくわからない金融商品を有価証券として380億円保有しています。
時価総額923億円の会社が、現金相当額600億円超を保有しています。
ROEは凡そ3%程度を継続しています。
大株主にはエフィッシモ(村上系)もいます。
今回、香港のアクティビストが株主提案と言う形で嚙みつきました。
詳細は次の通り。(リンク貼りましたが有料会員でないと見えないかも)
株主提案の概要は次の通り。(理由等の詳細はご自身で確認ください)
(1)定款一部変更(日本たばこ産業株式会社からの天下りの禁止)の件
(2)定款一部変更(日本たばこ産業株式会社へのCMSによる資金提供の禁止)の件 (3)定款一部変更(取締役の経験)の件
(4)定款一部変更(資本コストの開示)の件
(5)剰余金の処分の件
(6)自己株式の取得の件
CMSとあるのは キャッシュ・マネジメント・システムの略です。
2月10日時点で、同社取締役会は株主提案全てに反対すると表明しています。
また、株主・投資家から見るとよくわからない情緒に訴えるような中期計画が出されています。
株主提案を読むと「コーポレートガバナンスコード」や「資本コスト」がキーワードになっています。投資家目線で見る限り極めて真っ当なものばかりです。
昨年、私がコーポレートガバナンスコード原則5に基づき企業との直接対話に臨んだ際のキーワードと同じです。良いですね、大いに励まされます。
親子上場している場合でも、かなり厳格に経営が区分されていることもあります。が、大半はズブズブです。少数株主が犠牲になって親会社が得しているケースが多いのが実態です。
おかしいと分かってはいても少数株主が戦うには高いハードルが待っています。株主提案をしたくとも決算期日6カ月前から300単位(3万株)以上の株式を保有し続ける必要があります。資金的に非常に厳しいものがあります。提案するにはそれなりの時間もかかります。また、総会で指摘したくとも、議長・会社側は言葉巧みにはぐらかします。勿論、社員株主が沢山出席しています。無言の圧力を感じます。
さて、今後の同社および同社株の見通しです。あくまでも私見です。
メインシナリオは、JTによるTOBでしょう。そもそも資本市場=株式市場から資本調達するつもりの無い会社です。実態的にもJTと一緒に経営をしています。一緒になるのが自然です。鳥居には結構な現金もあります。TOBしても追加費用は以外とかからないのではと思います。難点は、研究開発費がJT・鳥居グループから無くなることかな。JTの株式と交換ということも考えられます。JTには結構な金庫株もあります。
次善のシナリオは、株主還元の見直しです。還元策として自社株買いを宣言し、ある程度株価が高くなった時に、アクティビストから株式を市場外取引で購入なんてことが考えられます。ただ、アクティビストは安い価格での買取に応じるとは思えません。
最悪何もしないことも可能性としてはあります。が、ここまでマスコミに取り上げられてゼロ回答はないでしょう。取締役会の反対決議も、結局は時間稼ぎのためだけではないでしょうか。
新聞報道を見てから少し買いましたが、相場全体の動きで株価が下押しするようなことがあったら追加購入予定です。