今年こそは親子上場が本格的に解消する年になる、と実は毎年思っています。
でも今度こそはと思われる兆候がいくつか見えてきました。
例えば、JTの子会社 4551 鳥居薬品。香港の投資会社が、親子上場が企業統治の面で問題ありと、キャッシュ・マネジメント・システムの廃止や幹部に受け入れる「天下り人事」の廃止等を株主提案をする予定だそうです。
時価総額818億円で、ROE3%程度。自己資本比率は90%。有り余る現金の内250億円を親会社のキャッシュ・マネジメント・システムに預けています。このお金はJTグループ内で活用することになります。逆に、鳥居薬品の株主には還元されません。どう考えてもおかしいですよね。
こんなケースもあります。東レの連結対象子会社 6403 水道機工。
昨年の12月20日、親会社との利益相反等を管理するため「ガバナンス委員会」を設置しました。当初発表時には委員長を東レの天下り社長にしていましたが、その後1週間程で委員長を社外取締役に変更するとの発表がありました。笑えますよね。どこぞの機関投資家がかみついたに違いありません。
この会社も、一昨年までは親会社に「預け金」30億円程度をずっと上納していました。コロナ禍の最中ではありましたが、総会でかみついた記憶があります。そのせいか分かりませんが今は解消しています。
AGC(旭硝子)の連結対象子会社 4107 伊勢化学。この会社も親会社に短期貸付金と称して70億円ものお金をずっと預けています。昨年6月「支配株主等との重要な取引等に関する委員会」が設置されています。昨年3月の総会で30分程度質疑を執拗に繰り返した効果があったのかもしれません。
三井金属の子会社 三井金属エンジアリングは、三井金属にTOBされました。商船三井は子会社である 宇徳とダイビルをTOBしました。
日立製作所は、子会社の再編を強力に進めています。
コーポレートガバナンスコードや金融庁発表の「投資家と企業の対話ガイドライン」も大きな影響を与えています。
これ無しには市井の個人投資家である私ごときが、小さいとは言え上場企業の取締役と直接対話なぞできなかったでしょう。
世界的に株価は下落基調で、親子上場している子会社の株価も結構下がっているケースが多いようです。チャンスとして捉え、積極的に動く予定です。